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婚約破棄から始まる悪役令嬢の監獄スローライフ 下

 

公爵令嬢レイチェルのだらだら監獄生活&エリオット王子への嫌がらせは、さらにさらに加速する―!!地下牢でペットを飼ったり、お楽しみ会を主催したり…そしてフリーダムなレイチェルに振り回される面々は―!!さらには最強のヤンデレ女騎士まで現れて!?エリオット王子たちの運命やいかに!? (「BOOK」データベースより)

見に覚えのない罪で婚約を破棄された上投獄されたの公爵令嬢が本性をあらわにして牢獄に自ら立てこもり、悠々自適な生活を送りながら自分をいびろうとする元婚約者の王子とその取り巻き達をいびり返すお話。完結編。

最後まで恋愛沙汰にも刃傷沙汰にもならず(いや一部の人は別の意味で大変なことになっていたけど)、最初から最後まで一貫して軽いノリで突き抜けていったので安心して楽しめた。この流れから王子一派が処刑されるようなオチになったらちょっと嫌だなあ…と心配していたんだけど、むしろ暴走して刃傷沙汰に走ろうとする周囲を引っ掻き回していたはずの主人公サイドが食い止める展開すらあって笑ってしまう。絶対にシリアスも泥沼にもさせないこのさじ加減が凄かった。2巻という巻数もいい感じに間延びせずにきれいにまとまってよかったと思う。

散々無茶苦茶やっておきながらもレイチェルは最終的にエリオット側の生命を取るような流れは一切望んでいないのが本当に面白い。絶妙に王子側が暴走しすぎないよう「節度」を持ったいびりが展開されていくし、レイチェルの配慮が届かない/手の出せない部分は彼女が育て上げた侍女軍団が完璧に彼女の意図を汲んで行動してストッパーとして機能する。こんなん、レイチェルへの嫌がらせに拘泥するあまり臣下からの信頼を失ってさえいるエリオット一行が勝てるわけがない。

楽しくドタバタしながらも、気づけば取り巻き一行は一人ずつ王子の周りから排除されていき、貴族達への求心力もしっかり剥ぎ取って…一切の弁明の余地なく王子の政治生命を完璧に断っていく流れが見事でした。しかし同時に、レイチェルが一番望んでいた結末は「自分も次期王妃の座を追われて牢の外でも悠々自適に暮らす」ことだったと思うので正直試合で勝って勝負に負けた感じが物凄くあるんだよな…いや、そのへんのバランスがまた絶妙なんですが。

ともすれば重くなったり残酷になったり後味が悪くなってしまいそうな題材を扱いながらも、最初から最後まで明るく笑える話として計算され尽くした展開がどこまでもお見事でした。楽しかったです!レイチェルがラストでプロポーズした相手、私も彼と結婚したい。


婚約破棄から始まる悪役令嬢の監獄スローライフ 上

 

公爵令嬢レイチェルは、許嫁であるエリオット王子から身に覚えのない罪を理由に婚約を破棄され、地下牢に投獄されてしまった。これは恋敵の陰謀か、はたまた政敵の罠か…!?そして、レイチェルは思った―!!プリズンイエーッ!ゴロゴロし放題のスローライフ!王妃教育もサボれてうるさい使用人もいない…楽しい休暇の始まりだ!準備万端整えていたレイチェルは、獄内でだらだら生活と王子への嫌がらせを心置きなく満喫する―!!(「BOOK」データベースより)

本性を抑え込んで表面上は控えめに生きてきた公爵令嬢が婚約破棄を切っ掛けに覚醒し、牢獄(※投獄の数ヶ月前から事態を察知して物資を運び込んでいた)に引きこもって悠々自適な生活を送りつつ、無能な元婚約者とその取り巻きたちをいびり倒すお話。

物静かなふりをしていたが、本当はとんでもなく賢くて裏の人脈も豊富で敵対する相手には(色んな意味で)容赦ない主人公と、どこまでも小物で無能な王子一味の対決が滑稽すぎる。最初から最後まで全く勝負になってないのがもはや可哀そうですらあるんだけど、相手がどこまでも懲りないので意外に可哀そう感ない。毎週のように印籠で土下座させられる某時代劇の悪代官みたいな様式美すら感じてしまう。

主人公のレイチェルがとにかく王子に対して無関心なので、色んな意味で重くならずにサッパリした軽妙な読み口になってるのが印象的でした。行われる嫌がらせもどちらかというとレイチェルが好き勝手している様子にエリオットが勝手にキレてるだけなので、独り相撲的な面白さなんですよね……(一部王子への直接的な当てつけ展開もあるけど)。

投獄されても御用聞きの商人やお抱え侍女軍団を自由自在に操り牢屋の中から人脈を広げすらするレイチェルと、本人たちは気づいてないだけでどんどん周囲の印象が悪化して孤立していく王子一味との対比も印象的でした。しょっぱなから投獄されたときのレイチェル両親の怯えっぷりや、現王夫妻とのやりとりに腹抱えて笑ってしまうんだけど実の両親からすらその扱いって駄目じゃない!?本当に「裸の王様」ぶりが半端なくて早く考え直したほうがいい。ところで公爵と現王に悪友萌えしたって話はどこですればいいですか?(迫真)

しかし、これ色んな意味でどうやってオチをつけるのかが気になる。レイチェルが断罪される流れは絶対にないと思うんだけど、王子側が断罪される展開は下手したら重くなってしまうよなあと。色んな意味で軽妙な展開が魅力の物語なので、軽いままで最後まで行ってほしい。